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2025-06-26

ペアガラスでも足りない?内窓追加で変わる断熱・防音の真実

内窓

真夏のキッチンが「まるで蒸し風呂みたい…」と感じたことはありませんか?

勝手口まわりは、ペアガラスを採用していても、日差しの熱や外気の熱気が入り込みやすい場所。

特にアルミ枠や古いドアは、熱を通しやすく、エアコンの効きが悪くなる原因になります。


こうした問題の対策として今注目されているのが、ペアガラスに内窓を追加するという手法です。

既存の窓やドアにもう1枚内窓を加えることで、熱の侵入を二重でブロック。

さらに遮音性もアップし、夏特有の不快な暑さや騒音を軽減できます。


この記事では、勝手口ドアの断熱リフォームと併せて検討したい内窓の追加について、その効果や補助金の活用方法、施工時の注意点まで、専門的にわかりやすく解説していきます。

この夏を快適に乗り切るために、今こそ見直すべき住まいの暑さ対策。ぜひ最後までご覧ください。

そもそもペアガラスとは?内窓とどう違うのか

夏の暑さ対策や冷房効率を高めるうえで欠かせないのが、窓やドアの断熱性能です。

とくに勝手口まわりでは、断熱性の低い古いドアやガラス窓が、外気の熱を室内に伝えてしまう原因になります。

そこで重要になるのが、「ペアガラス」と「内窓」の理解です。

ここでは、それぞれの構造と効果を整理しながら、ペアガラスと内窓という組み合わせがなぜ有効なのかをご紹介します。


ペアガラスの構造と基本的な性能

ペアガラスとは、2枚のガラスの間に中空層(空気やガス層)を設けた複層ガラスのことです。

この中空層が熱の伝わりを抑え、単板ガラスに比べて断熱性・防音性が大きく向上します。


さらに高性能なものとしては、Low-E(低放射)タイプのペアガラスがあります。

これは、ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングすることで、日射熱を反射しつつ、室内の冷気や暖気を逃がしにくくする機能を備えたもの。

夏場の冷房効率を上げたいご家庭には特におすすめです。 しかし、ペアガラスだけでは遮熱や断熱の完璧な解決にはなりません。その理由と対策が、次の内窓にあります。


内窓(インナーサッシ)とは?

内窓とは、既存の窓の内側にもう1枚サッシとガラスを追加するリフォームです。

壁を壊さずに簡単に施工できるのが特徴で、二重窓(=外窓+内窓)となることで、以下のような効果が期待できます。

・断熱性の大幅アップ(空気層が2重になり、外気の影響を受けにくい)

・防音性の向上(音の侵入経路が増え、遮音効果が高まる)

・結露の抑制(窓周辺の温度差が小さくなり、結露の発生を防ぐ)


とくに勝手口に多いペアガラスのドアだけでは熱気の侵入を防ぎきれない場合、このペアガラスと内窓という組み合わせによって、夏場でも快適な室内空間を実現できます。

また、内窓設置や断熱ドア交換は、国や自治体の補助金対象になるケースも多く、費用負担を抑えながら高性能な住まいづくりが可能です。

ペアガラスでも足りない?断熱・防音が不十分な理由

「うちはペアガラスにしているから安心」と思っていても、夏場の暑さや外の騒音が気になるという声は少なくありません。

特に勝手口ドア周辺は、家の中でも外気の影響を受けやすいポイント。

ペアガラス単体では、十分な快適性を保てないケースがあるのです。


ここでは、ペアガラスだけでは断熱・防音が不十分な理由を、構造的な観点から解説します。


ペアガラスの限界(枠の断熱性・隙間風・音の伝達)

確かにペアガラスは、単板ガラスに比べて断熱性・遮音性に優れています。

しかし、問題は「ガラスだけ」ではなく、それを支える枠(サッシ)やドア本体の構造にもあります。

・アルミ製サッシは熱伝導率が高く、冷房の効率を下げる要因に

・気密性が低い古いドアでは、隙間風や外気の熱が侵入しやすい

・ガラス部分が防音仕様でも、サッシを通じて音が伝わるため、防音効果が限定的になる


このように、ペアガラス単体では全体の断熱・遮音性能をカバーできないことがあるのです。

その対策として注目されているのが、ペアガラスに内窓を追加するというアプローチ。

内窓を新たに設けることで、空気層を増やし、熱や音の通り道を物理的に遮断できます。


外気との温度差による結露・冷放射問題

また、ペアガラスを採用していても、結露や冷放射による不快感が発生することがあります。

これは特に、北側の勝手口や陽の当たらない場所で顕著です。

・外気と室内の温度差が大きいと、ガラス面に結露が発生しやすくなる

・ペアガラスであっても、熱がじんわりと放射される「冷放射」現象が起こる

・結果として、床が冷たく感じたり、キッチンに長時間立つのがつらいと感じることも


この点でも、ペアガラスに内窓を追加する効果は大きく、二重窓化によって結露の発生を抑え、冷放射を軽減することができます。

夏場はもちろん、冬の足元の冷え対策としても有効です。


断熱・防音・結露対策の面で、ペアガラスだけでは不十分と感じる方は、ぜひ内窓追加による「+αの快適さ」をご検討ください。

ペアガラスに内窓を追加することで得られる効果とは?

ここでは、内窓を加えることで得られる3つの代表的な効果を見ていきましょう。


断熱性能の劇的な向上

最大のメリットは、なんといっても断熱性能の大幅なアップです。

窓が二重になることで、空気層が2つでき、外気と室内の温度差を穏やかにします。


特に勝手口は、玄関や水まわりと同様、家の中でも温度差が大きくなりやすい場所。

ペアガラスと内窓の組み合わせにより、

・冷房効率の向上(夏場の冷気を逃がさない)

・室温の安定化(キッチンや廊下が冷えにくくなる)といった効果が得られます。

冷暖房の効率が良くなることで、光熱費の削減にもつながります。


防音性能の強化

勝手口周辺は道路や隣家と接していることも多く、外部の音が気になりがち。

ペアガラスに内窓を追加することで、音の伝わり方が変わり、遮音性能が飛躍的に向上します。

とくに効果的なのは、内窓のガラスを厚みのある単板ガラスや防音ガラスにする方法。

音の周波数に応じた素材の選定によって、

・車の走行音

・人の声

・エアコンの室外機音などをしっかり遮断することができます。

「静かなキッチンで料理がしたい」という方にもおすすめの対策です。


結露の軽減とカビ対策

結露による水滴は、見た目が悪いだけでなく、カビやダニの原因にもなります。

とくにペアガラス単体では、北側や湿気の多い場所では結露が発生しやすいのが現実です。

内窓を追加することで、室内と屋外の温度差がさらに緩和され、

・結露の発生を大幅に抑える

・カビの発生を防ぐ

・結露拭き取りなどの掃除の手間を減らせる といった効果が期待できます。

結果的に、住まいの衛生環境や健康面にも好影響を与えるのです。


このように、ペアガラスに内窓を追加することによる勝手口まわりの断熱・防音・結露対策は、補助金対象のリフォームメニューとしても注目されています。

内窓追加はどんな住宅に向いている?

「うちはペアガラスだから大丈夫」と思っている方も、実は内窓追加の効果を見逃しているかもしれません。

実際、住宅の種類や築年数に関係なく、内窓を追加することで断熱・防音性は大きく向上します。

ここでは、ペアガラスに内窓を追加することがどんな住宅に特におすすめなのか、また補助金の対象になる条件について解説します。


戸建て・マンション・築年数別のメリット

内窓は、戸建てにもマンションにも対応できる汎用性の高いリフォーム手法です。

窓枠の内側に設置するため、大がかりな工事が不要で、賃貸や集合住宅でも条件次第で導入が可能です。


特におすすめなのが、以下のような住宅です。


・築20年以上の住宅

⇒当時のサッシや窓仕様は単板ガラスや熱伝導率の高いアルミ枠が多く、断熱性が非常に低い傾向にあります。

⇒内窓を追加することで、体感温度が大きく改善されます。


・既にペアガラスを導入している住宅

⇒標準仕様のペアガラスでは不十分なケースも多く、ペアガラス 内窓 追加によって“二重の空気層”が生まれ、より安定した室温と静かな空間を実現できます。


・北側の部屋、キッチン、勝手口まわり

⇒外気の影響を受けやすい場所こそ、内窓の断熱性・防音性の恩恵が大きくなります。


ペアガラス+内窓は補助金対象になる?

高性能な住宅改修を推進する国の制度として、「先進的窓リノベ事業」などの補助金があります。

この制度では、ペアガラスだけでなく、内窓の追加設置も対象になるケースがあります。


補助金対象になる主な条件

・製品の断熱性能(Uw値)が国の定める基準を満たすこと

・内窓として使用される製品が登録されたメーカーの対象リストにあること

・リフォーム箇所が一定数以上(例:2か所以上)であること(制度による)

とくに、ペアガラスに内窓を追加することは補助金の支給額が比較的大きいため、コストを抑えて性能向上を図れる点で非常に人気の高いリフォームです。

施工前に知っておきたい注意点と選び方

ペアガラスに内窓を追加することは断熱性や防音性の向上に非常に有効ですが、住宅によっては施工時に気をつけたいポイントも存在します。

満足度の高いリフォームにするために、以下の点を確認しておきましょう。


窓のサイズ・サッシの素材による制約

内窓の取り付けには既存の窓枠の奥行きや素材が大きく影響します。

・サッシの素材がアルミの場合、結露が起きやすくなることも。樹脂サッシや気密性の高い内窓を選ぶことでその弱点を補えます。

・内窓設置後は開閉スペースが狭くなる場合があるため、勝手口のように頻繁に出入りする場所では可動域や取手の仕様にも注意が必要です。

・外観や内装にこだわりたい場合、内窓のフレームカラーやデザイン選びも見落とせないポイントです。


内窓のガラス種(単板/複層/Low-E)選びで効果が変わる

内窓にはさまざまなガラス仕様がありますが、その選択によって断熱・遮音性能が大きく変化します。

・単板ガラス:コストを抑えたい場合に適していますが、断熱・防音効果は控えめ。

・複層ガラス:空気層を持ち、断熱性に優れています。

・Low-E複層ガラス:内窓に使えば夏の日射熱を大きくカットし、冷房効率を高めます。

冬も暖房熱を逃がしにくいため、年間を通して快適さを保てます。

ペアガラスへの内窓の追加を行うなら、Low-Eタイプのガラスを選ぶとより高い効果が期待できます。


DIYとプロ施工の違い

ホームセンターなどで内窓キットを購入し、自分で取り付けることも可能ですが、断熱・防音の精度や仕上がりに差が出るのが実情です。

プロの施工業者に依頼するメリットは以下の通りです。

・正確な採寸と高い気密施工技術

・見た目の美しさと長期的な耐久性

・補助金の対象条件を満たす製品提案や申請サポート

とくに補助金活用を前提とする場合、「登録製品の使用」や「施工証明書の提出」が求められることも多く、専門業者との連携が重要です。

まとめ

「ペアガラスにしているから安心」と思い込んでいませんか?

実は、ペアガラスだけでは断熱や防音に限界があるのが現実です。


ペアガラスに内窓を追加することによって、二重の空気層が生まれ、冷気・騒音・結露などの問題を根本から改善できます。

快適な住環境づくりには、製品選びと施工の質が大きく影響します。

さらに、現在は「先進的窓リノベ事業補助金」などを活用すれば、実質費用を抑えながら高性能な内窓を導入できるチャンスでもあります。


夏の暑さ対策・光熱費の削減・防犯や快適性の向上を目指すなら、 今こそペアガラス+内窓の組み合わせを、専門業者と一緒に検討してみてはいかがでしょうか?


~エコマド工房からのメッセージ~

年間516窓の断熱施工と実測調査で到達した『熱の流れが見える』断熱リフォーム専門店

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